igA腎症とは?発症から寛解までの記録。ステロイドパルスと扁桃腺摘出。

 私は約10年前、2011年にigA腎症との診断を受けました。

ですが、すぐにigA腎症という病気がわかった訳ではありませんでした。

 

2010年頃から体調不良で身体がだるい日々が続き、

38度を超える熱が月に1回は出ていました。

さらに血尿が出るようになり病院に行きましたが、

どこの病院も膀胱炎ですと言って膀胱炎の薬を貰って終わり、、、。

 

一向に薬を飲んでも血尿が止まらず、

何度か病院を変えても治りませんでした。

 

流石にどこかおかしいんじゃないか?と思い、

泌尿器科ではなく腎臓内科に行ってようやく病名が判明しました。

 

1年放置し続けた結果、血尿は血の色ではなく

ほぼコーラや醤油のような色になっており、

即入院、即腎生検となりました。

 

私の経験が少しでも誰かの役に立てたら良いと思い、

これまでの経緯をまとめて見ました。

 

 

 

 

自覚症状と病院探し

 

自覚症状が出たのは前述した通り、2010年頃の結婚前の事でした。

当時専門職として出張や会議にバリバリ働いていたので

働きすぎで疲れが出やすいのかな?ぐらいに思っていました。

 

初期症状は、、、

・週末は疲れて昼過ぎまで起きられない。

・どこかに出かけるとすぐに熱を出す。

・ちょっとした会議に出席しても、怠くてしんどい。

 

これぐらいの症状だと皆んな誰しもが普通にあったりしますよね。

当時は、今の旦那と結婚前だったんですが

少し出かけると疲れてしまって、疲れた疲れたが口癖になってしまい、

「疲れた疲れたばっかり言うな!」ってキレられたりして、

その度に喧嘩してました。。。

今は病気だったんだなと分かり、その頃の暴言を反省しています。

おかしいなとは思ってましたが、

これぐらいの症状だと病院なんて行かないですよね。

 

それから放置していたら、段々と症状が重くなっていきました。

 

しばらく放置してからの症状は、、、

血尿(血の色)

・熱を出す頻度が月1回

・腰が痛い

・激しく疲れやすい

 

ここまで来たらやばいと思い、すぐに泌尿器科に行きました。

採尿して検査しましたが、すぐに膀胱炎ですねという診断で終わり。

膀胱炎の薬を飲みましたが一向に良くならず、

再度通院しましたが、薬が効きにくい体質なのかな?と言われ

セカンドオピニオンで別の病院に行きました。

しかしこの病院も同じ診断でした。

 

ただ、血尿と熱がでた事で仕事を少し休んでいたので

自然と症状が落ち着いたらしく、

2回目の病院に通院中に血尿は消えました。

 

やっぱり膀胱炎だったんだな、と思いしばらく様子見しておりました。

その間に結婚し、旦那さんとの生活が始まりました。

 

結婚生活では、引っ越しして会社が遠くなったり

慣れない家事を頑張りすぎたせいか、

また血尿が出るようになりました。

 

末期の頃の症状は、、、

・血尿(コーラ、醤油のような色)

・朝起き上がれない

・浮腫がひどい

・腰が痛い

・疲れがひどい

・どこにも出かけたくない

・熱を出す頻度が月2〜3回

 

そしてまた泌尿器科に行った所、

またしても膀胱炎との診断でした。。。

私はその時、何の疑問も持たずに膀胱炎のお薬を飲んでました。

 

ですが今回は、旦那さんや旦那さんの家族が私の変化に気づいてくれて

絶対におかしい!!膀胱炎ではないのでは?と色々調べてくれたり

知り合いのお医者さんに聞いてくれて、

腎臓内科に受診する事になりました。

 

そして尿検査・血液・エコーの結果、尿の色を見た先生が一言、

これはすぐに入院しましょう。

と言う事になり、すぐに入院となりました。

 

人生初の入院と腎生検

 

すぐに確定診断の為に腎生検となりました。

さあ、いざ腎生検!となりましたが、

緊張のせいか、病気のせいか、また38度の熱が出てしまい

熱が下がるまで検査ができずしばらく入院した後の腎生検でした。

 

入院もした事ない、手術もした事ない、注射嫌い、

初めての腎生検が怖くて怖くて仕方ありませんでした。

でもやってみたら意外と簡単でした。

 

・場所は手術室でなく、入院していた病室でした。

・普通にパジャマで待機。

・看護婦さんが尿路カテーテルを入れる。

 何度も失敗されて痛かった。

・エコーを持って先生と看護婦さんが入室。

・イソジンみたいな消毒塗られて、局部麻酔を打たれました。

 局部麻酔が一番痛かったです。

・いよいよ腎生検開始、3回くらい圧迫されました。

 すごい圧を感じましたが、痛みはなかったです。

・終了。そのまま仰向けで1日ただひたすらベットで我慢!

・2日後退院!

 

腎生検の結果までしばらく時間がかかるので、

1週間後に検査結果聞きに来て、と家に帰りました。

やっと家に帰れる、嬉しい!会社はいつ行こうかなと思っていた所

退院から3日後に病院から電話があり、

明日すぐに入院準備して来てくださいとの連絡が入りました。

 

 

igA腎症とは?

 

腎生検の結果から言うと、igA腎症でしょうと診断されました。

慢性糸球体腎炎の一種で、約3割の人が長期間に渡り病気が進行し

透析治療になると言われました。

 

igA腎症とは、腎臓の中に100万個近くある糸球体(尿の濾過装置)に

igAというタンパク質が付着して炎症などを起こし、

血尿や蛋白尿を出す病気だそうです。

 

igAは通常体の中にある免疫物質だそうです。

扁桃腺炎などが起こるとその炎症を抑えようとして活動するんですが、

身体のどこかで炎症が続くと、igAも出続けて腎臓に炎症が現れて

じわりじわりと腎臓を蝕んでいくそうなんです。

なので治療法としては身体のどこで炎症が起きているか調べて

根絶する事になるそうです。

 

一般的なのは、

扁桃腺摘出手術+ステロイドパルス。

今ではigA腎症と調べればこちらの治療法がすぐに出て来ますが、

10年前の当時はあまり一般的な治療は確立されていなかったようで、

扁桃腺は摘出しても意味ないという先生もいたのですが、

私は寛解する見込みがあるのであればと

扁桃腺摘出手術+ステロイドパルス治療を選択しました。

 

しかしこの治療で100%寛解するわけではなく、

身体のどこの炎症が悪さをしているかを見極めるのが重要だそうです。

歯性病巣感染(虫歯や歯肉炎など)なのか、副鼻腔炎(慢性上咽頭炎)なのか

扁桃腺炎だけが病気の原因じゃないそうです。

 

結婚した年だったので、絶望しかありませんでした。

子供はもう産めないのか、それよりも透析になってしまったら

旦那さんに迷惑かけちゃうかなとか、、。

色々な事がよぎりました。

 

 

ステロイドパルスと扁桃腺摘出手術

 

私の場合は先にステロイドパルスを行う事になりました。

血尿がひど過ぎて、高熱も続いていた為、

ステロイドで落ち着けないと扁桃腺摘出もできないとの事でした。

また、ステロイドパルスと扁桃腺摘出は、

どちらが先でも効果は同じだそうです。

 

ただし、ステロイドの効果が切れる前に扁桃腺の摘出を行わないと

寛解率が下がるそうなので、早めに行う事が望ましいそうです。

 

ステロイドパルス療法とは、

ステロイドを3日間連続で点滴し、

その後、4日お休み期間(飲み薬は継続)。

これで1クール。

 

合計で3クールを連続で行い、

私の場合は連続で行ったので1ヶ月程入院しました。

 

その後、一度退院して2週間後に扁桃腺摘出施術を行いました。

 

扁桃腺摘出する際の診察では、

扁桃腺が見た目上はたいして腫れていなかったようで、

先生からは、

「これは摘出しても治る可能性は低いんですが、

それでも手術しますか??」と聞かれました。。。

 

それでも私は手術を決めました。

少しでも望みがあるのであれば、やった方が良い、しかも早く!

と思ったので迷いは全然ありませんでした。

それに月に何度も高熱を出していたのですが、

その際に喉が痛くて痛くて声が出ないほどだったんです。

本当に痛くて、これで本当に扁桃腺は腫れていないって不思議だったんです。

 

いよいよ施術日、旦那さんと家族が付き添ってくれました。

大体手術は1時間と言われていたのですが、

終了したのは倍の2時間かかったそうです。

 

取り出した扁桃腺を見てびっくり!!

右も左もひどく癒着していたそうです。

大きな砂肝が2つありました。。。

 

先生もこれは取って良かったね。というぐらい。

見た目は普通でも、身体の中ではやはり問題があったんですね。

 

 

通院と寛解まで

 

入院するときは蛋白も血尿も計測不可なの程マックスで出ており、

常に蛋白も血尿も+3でした。

退院してもステロイドの飲み薬は継続しており、

毎月1回血液検査と尿検査の日々でした。

退院する時に栄養指導を受けて、減塩生活を心がるようになりました。

 

一度破損した腎機能は戻ることはなく、

今より悪くならないように維持していく必要があるそうです。

なので、腎臓に負担をかけないように

減塩生活を心がける必要があるそうです。

 

また、扁桃腺ではない可能性もあるので、

歯医者さんに定期的に行って虫歯のないようにしました。

鼻炎も酷かった為、耳鼻科にも通院しました。

 

退院してちょうど1年と半年かかりましたが、

蛋白も潜血もようやくマイナスになりました。

クレアチニンの値も通常になって、

晴れて寛解状態になりました。

 

一度は諦めていた子供も欲しいと思い

不妊治療にも取り組んでいます。

 

寛解状態からすでに8年が経とうとしていますが、

最近の定期検査では、先生から全く問題なしのお墨付きもいただきました。

 

ですがこの病気は寛解はしても完治はしないらしいので、

突然症状が悪化して、病院に来てみたら即透析もあり得るらしいです。

 

減塩生活だけではなく、体のために出来ることを

無理せず、楽しく続けていけたらいいと思っています。